初芝立命館中学校では、ARコースを対象にした教科別の集中講座を実施しています。この集中講座では、普段の授業では取り組むことのできない内容について行っています。
2年生の国語では、4回に分けてビブリオバトルを行いました。
第1回目はビブリオバトルについての説明を行いました。
ビブリオバトルとは、自分のおすすめの本をバトラーとして皆の前で紹介し、中でも最も読みたいと思われた本が優勝するといったものです。
生徒たちにとって、ビブリオバトルの大きなル―ルとしては「台本を用意してはならない」ということでした。
生徒たちは戸惑いながらも第1,2回目でスピーチのネタ集めをワークシートを用いて行います。
第3回では生徒をグループに分け、予選が行われました。初めに5分間のバトラーによるスピーチを行い、その後3分30秒はバトラーに対する質問の時間です。
本のタイトルの意味を紐解いていくスピーチや、実際に本と出会った場所の話から入るスピーチなど、生徒たちはスピーチの中に工夫を仕掛けていました。
第4回(2月25日)では予選を突破した6人のバトラーによる決勝が行われました。決勝会場にはクラスメイトだけでなく、多くの教員も混ざり、とてつもない緊張感の中行われました。
見事決勝を勝ち抜き、2020年度中学2年生ARコースのチャンプ本となった作品を紹介します。
作品名:『佐藤さん』
出版社:講談社
作者:片川優子
あらすじ:高校一年の少し気弱な主人公の男の子。彼が幽霊に憑かれている「佐藤さん」と出会い、彼女の除霊を引き受けたことから彼と彼女のふしぎな関係がはじまった。
また、教員による投票も行い「先生の心に響いた一冊」も特別賞として選定しました。加えて紹介します。
作品名:『泣くな研修医』
出版社:幻冬舎
作者:中山 祐次郎
あらすじ:雨野隆治は25歳、大学を卒業したばかりの研修医だ。新人医師の毎日は、何もできず何もわからず、上司や先輩に怒られてばかり。だが、 患者さんは待ったなしで押し寄せる。初めての救急当直、初めての手術、初めてのお看取り。自分の無力さに打ちのめされながら、命を守るため懸命に戦う雨野の物語、第1弾。
最後にビブリオバトルを終えたあとの生徒の感想を紹介します。
・本の核心に触れないようにして、その本の面白さや魅力を伝える難しさを感じました。 本番発表する時、途中しゃべることが思い浮かばず、時間を無駄にしてしまったけど、もしまた同じような機会があれば、自分の伝えたいことを、もっと伝えれるようになりたいと思いました。
・初めてのビブリオバトルで、ちゃんと本を紹介できるかとても不安だったけど、思ったよりもできたので良かったです! 予選では投票が1票入ったのでとても嬉しかったです。決勝戦では、みんなレベルが高くて全部の本を読みたいと思いました。質問に対しての対応力がみんな凄くておどろきました。 これを機にもっと語彙力を上げたいと思いました。。。
・ビブリオバトルをすると聞いた時は、はじめはどういう風にやってみたらいいのかがわかりませんでしたが、実際にやってみるととても面白くて、また機会があれば、やりたいなと思いました。私は予選で少し時間が余ってしまったので、次は気を付けたいです!
ここにすべての感想は載せられませんが、他の感想を見ても、今回の集中講座を通して生徒たちはスピーチの仕方だけでなく、本の中にある何気ない表現にどんな意味が含まれているかなど、講座前と比べ「本を読む」ことへの意識が変わったようにも感じました。