校長ブログ

4月16日(月)

 本年度より正課授業として「探求総合」(高1・1単位)がスタートしました。21型スキルへのアプローチとも言えるこの授業は、本校の生徒がより主体性・積極性を身につけ、より好奇心を高めてほしいと願う先生方の熱い想いから生まれたものです。教育効果を高めるためにワーキング・グループである探求部会が定期的に検討を重ねてくれています。
『ソーシャル・チェンジ』という教材を使い、一貫生は2学期あたりまで、高入生はほぼ1年間かけて学習する予定です。評価については、自分が伸ばしたいと思う到達目標を決め、自己評価シートを用いて、学期の終わりか単元の区切りのよいところで振り返りを行います。予測がつかない現代社会において、山積する難問にチャレンジする姿勢を養うことを目的とするこの授業は、正解が一つとは限らない問いに対してじっくり考える習慣を養い、大学への学びにつなぐ、いわば高大接続の役割を果たします。授業で教師は前に立って教えるという従来のスタイルではなく、ファシリテーターに徹します。生徒は、特定のテーマに対し、グループ・ワークで互いの考え方を尊重しつつ、アイデアを出し合いながら納得解をまとめ、プレゼンテーションして皆で共有するといった流れです。

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 大学入学「前」は、出題者の意図を素早く読み取り、入試を突破する効率的なテクニックを身につける"お勉強"が主流ですが、大学入学「後」は、専攻分野における課題をさがし、自ら問いを立て、"納得解"を探求しなければなりません。その一助として、今、大学では背景知識を強化する意味で、専攻以外にも学びの領域を広げ、自らの頭で考え抜く力を養成するリベラルアーツ教育が注目されています。入試の向うには、厳しい実社会への扉があり、そこでは背景知識、論理的思考力、課題発見・解決力が求められるという現実があります。それが「研究」への第一歩です。探求の道のりは長く、辛いものですが、努力する過程と質、つまり、どのように学び、身につけたかが明日につながるということを忘れないでほしいものです。

 以下に、『月刊「私塾界」』(2016.9.No.425,PP59~61)に寄稿した「21世紀型スキルとしてのアクティブ・ラーニング-英語教育における4技能習熟と受験指導の場合-」から同社の許可を得て抜粋しますので参考にしてください。

 アクティブ・ラーニング(AL)への取り組みが活発化している。ALは元来、アメリカで生まれたものであり、少人数クラスでの実践が基本である。日本の場合、ロール・モデルが崩れ、既存の知識を効率よく習得するだけでなく、解のない課題に立ち向かうべき時代だからこそ、他者と協働しながら思考を深め、自分の考えを述べるアクティブな姿勢=21世紀型スキルという考え方が根づいている。その意味で、40名前後のクラスで、規律を重んじる、どちらかといえばトップダウン型の授業が主流を占めてきた日本では独自のALを構築することになる。ALは、「一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法」(文部科学省中央教育審議会答申2012.8.28)と定義されており、問題解決学習、体験学習、調査学習に加えて、教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート等が示されている。知識・技能の統合を目標とするALが"市民権"を獲得していくのは自明であるが、現実的には講義、演習と多様な授業形態の中、定着をはかる「知識習得+活用型AL」や探求学習などの「問題解決型AL」といったところがスタートラインとなろう。前者は、授業で学習した内容についてのペアワークやグループワークが一般的である。通常なら発問して生徒に考えさせながら進めても数分で済むところがALになると3~4倍かかることから時間配分には留意したい。グループワークでは、単なる"おしゃべり"にならないように、人間関係に配慮し、司会者、発表者、時計係など役割を明確にして全員参加を促すことが鉄則。聞く時間と話す時間の切り替えも重要であり、聴くときは聴くといったアクティブ・リスナーとしての姿勢も醸成した上で、生徒自らが問題を考えたという意識をもたせ、主体的・協働的に学習を進めるような授業をデザインしたい。後者は、背景知識が豊富で、主体性の高いクラスであることが前提となるが、よりインタラクティブな活動に向けて課題設定と問題意識を引き出す工夫が生命線。学び方、ツールであるALが授業改善の手法として受け取られている感はあるが、いずれにせよ、単元のねらいを明確にして形式的な調べ学習やわずかな生徒参加にならないように、どの部分をアクティブにするかシラバス化することがポイントである。教えられることに慣れているせいか、教師がファシリテーターに徹するALのねらいを十分に説明しておかないと講義型の授業時間が減ることに対して不安を感じる生徒もいることも想定しておきたい。

 教える側も「教え込む」のではなく、思考力を活性化するにはどうすればよいかを考えつつ、同僚と連携をとりながらアクティブ・ティーチングを展開することが大切である。ALを取り入れることで進度が遅れる、負担が大きい、学力が測りにくい、現行の入試制度に通用するかなど、ネガティブな受け止め方はせず、常にバランスを考えた対応を心がけたい。 高校では学習指導要領に基づく知識・技能を問うペーパーテストを実施し、定期試験の素点を基に評定をつけるのが通例であるが、信頼性、妥当性、客観性に耐えうるパフォーマンス評価、ルーブリック評価といった多元的評価指標の研究と共通理解も必須。また、生徒同士がお互い評価できる環境づくりも重要である。
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