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校長ブログ

2018年04月18日(水) 大学入試:大学入学共通テスト

 2020年に導入される「大学入学共通テスト」の試行調査が約1,900校、約17万8,000名(約1,900校)を対象に行われ、結果が公表されています。センター試験と比べると、4教科11科目(英語を除く)の設問数は減少したものの、設問あたりに読ませる文章・資料・図・グラフ等の量が増加し、1問あたりの情報量が増えています。今後、学習到達度を測定するのにふさわしい内容、分量、さらに採点の正確性が精査されていくでしょうが、思考力・判断力・表現力に加え、情報処理能力や活用力を問う傾向は特記事項です。
 国語と数学は記述式が各3問。国語はセンター試験より20分長い100分ですが、時間配分に慣れていない生徒には難しく感じられたかもしれません。テーマは部活動で、生徒会規約、会話文、終了時刻のデータなど、5種類の文章を情報検索読みして、新設条件と手続き(問1、50字以内)、規約で認められていないこと(問2、25字以内)、活動時間延長の提案への賛否(問3、80字~120字)を書かせる形式でした。正答率が低くなるものもあり、時間配分を考慮した取り組みが不可欠です。
 数学Ⅰ・A(数学Ⅱ・Bはすべてマーク式)は、センター試験の約2倍。3問の記述問題は、授業場面や生徒の会話を通じて問題を示すものになっており、公式をあてはめて解答できるものもあります。その他、授業でコンピューターのグラフ表示ソフトを使う場面が設定され、グラフと係数の理解や推論が求められる問題、三角比に関する命題を証明する問題、都道府県の観光客数と消費総額の散布図からデータを読み取る問題等も出題されました。
 理科は身近な場面での知識の活用を問うものが多いのが特徴です。化学は、大学の体験入学で得られた情報から除草剤の原料を合成し、別の実験に応用することが求められています。化合物の構造を推察しながら3段階の操作手順を考える必要があり、正答率は低かったかもしれません。物理は、ブランコが揺れる周期を短くする方法について、ひもを短くする、重心を上げるなどと異なる単元の知識を尋ねていますが、選択肢からの選択ではなく、正解を記入させる形式となりました。生物は、除草剤の仕組みを調べる活動の中で5つの班での実験手順案からどのようなことがわかるか考えさせ、地学では日食観察ツアーにおける高校生の日記が題材になっています。
 日本史Bは、16世紀と18世紀の大名比較から誤った記述を選ばせる問題でしたが、歴史的背景の理解が必要とされ、単なる暗記では対応できません。世界史Bでは家計図を出題、資料の読み取りを重視しています。日本と世界の近現代史を学ぶ「歴史総合」を想定してか、日本の歴史を世界史的に捉える視点や複数資料を読み比較することによる時代や地域を越えた多面的考察が盛り込まれています。地理Bは、地図や気候変化などのグラフを読み解き、災害への備えや持続可能な開発を意識した問題。現代社会は、市場経済の仕組みを学ぶ生徒の議論を設定、空白となっているセリフを考えるものでした。 
 今回の試行調査では多くの科目で、設問あたりに読ませる文章・資料の量が多くなったものの、設問数は減りましたが、今後、設問数と試験時間のバランス等も精査されるでしょう。
 また、多肢選択問題は、選択肢から適当なものをすべて選べという形式になっていましたが、選択肢ごとにそれが適切かどうかの二者択一にすぎず、識別力と正答率の低下につながるという指摘もあります。いずれにせよ、実行可能性(フィージビリティー)という点が焦点となるでしょう。 大学入学共通テストに関する学長アンケート(日経、H29.12.13)によれば、「(ある程度)評価できる」69%、重視する要素として「各教科の学力」87%、「英語力」61%で、重点課題が「教育改革」85%、「研究力の向上」71%、「国際化の推進」68%だそうです。
 新しい大学入試の設問は、単なる知識を問うだけでなく、構造化された知識や表現力、思考力を問う作問へシフトしています。東京大の推薦入試や京都大学の特色入試にも共通する部分もあります。本校においても次期学習指導要領に基づき、カリキュラム・デザインしていきますが、同時に、私学の独自性を出し、"超進学校化"にふさわしいものにしていこうと思っています。

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