校長ブログ

2018年07月03日(火) トレンド情報:機械翻訳

 AIの発展に伴い、深層学習(ディープ・ラーニング:コンピューターによる機械学習)の精度が向上するにつれて、コンピューターによる言語の自動翻訳ツールが急速に進化しています。今回は、背景知識(Background Knowledge)を強化する意味で、機械翻訳について考えてみます。

trans.jpg  AIを応用した技術による自動翻訳とは、イヤホンをつけると、日本人が日本語で話したことであっても、アメリカ人は英語で聞け、アメリカ人が英語で返答しても日本人は日本語で聞くことができるというものです。これは、各分野に特化した翻訳エンジンが、専門用語も含め、それぞれの対訳データを作り、自動的に翻訳してくれる仕組みになっています。言語分野で言えば、翻訳エンジンが日英の対訳データから日本語と英語の関係性を学び、訳を決め、出力するというワークフローです。

 機械翻訳の研究は、1950年頃に始まりました。当時は、文法規則に基づく「ルールベースシステム」というものでしたが、人間のコミュニケーション活動が文法規則を意識せずに行われるため、翻訳の精度はあまり上がりませんでした。2000年代になって、異なる言語の訳の関係を分析する「統計ベースシステム」が登場し、改善の方向に向かいました。しかし、これは、目的の単語をその周辺の単語も含めてどのように訳すか決めるものであったため、部分的には正しくても全体的には課題が残ると言われていました。

 近年、深層学習を翻訳に取り入れ、分析対象を文全体として訳を決める「ニューラル機械翻訳」が開発され、翻訳機能が飛躍的に向上しました。現時点でのレベルは、TOEIC800点相当とも言われています。(16年にグーグル(米)、17年に情報通信研究機構がこの手法を取り入れています)

 現在の機械翻訳は、日常生活や技術系マニュアルについては高精度をもつものの、医療、法律、金融などの専門用語ではまだ完全に対応できないことも多いようです。総務省は、「グローバルコミュニケーション計画」を掲げ、「翻訳バンク」を作った情報通信研究機構を中心に、大手関連企業と連携して、さらにレベル・アップした機械翻訳技術の開発をめざしています。

 外国語を学んでも自由自在なコミュニケーションはなかなか難しいものです。人の話を聞き取り、文字に変換する音声認識技術が発達すれば、機械翻訳を会話に応用した同時通訳の可能性もでてきます。自然言語をコンピューターで扱うことによる様々な課題は想定されるものの、同時通訳者の脳内で起きている情報処理のシステムを研究し、言葉の壁を打ち破る一石を投じてほしいと思います。

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