校長ブログ

2018年07月09日(月) 大学入試:英作文対策II

 2018年度の大学入試問題[英語]を振り返ると、思考力に重きを置く自由英作文の増加が目立ちます。

 各大学のテーマは様々で、東京大は、シェイクスピアの戯曲『ジュリアス・シーザー』からの和訳つき引用文を読み、二人の対話についてどう思うか40~60語でまとめさせる問題でした。京都大は、海外からの観光客に和食の味がわかるのか、大阪大は、これまでに経験した失敗と、そこから学んだこと、名古屋大は、S NS利用者の年齢層における変化と年齢層間の類似点と相違点、九州大は、介護を必要とする高齢者に対する社会的取り組み、筑波大はspeed dating、広島大は、訪日外国人数の推移と増加策、名古屋工大は、防犯カメラの設置に関する賛否等々、バラエティに富んだものになっています。

 また、神戸大の外国人観光客にとって、温泉のマークとしてふさわしいものを選び自由英作、大阪教育大の誰からも相手にされない人という否定的評価をされたとき、それをどのようにとらえ、どのように対処するか自由英作といったようなものもありました。

 形式の点で言えば、一橋大学は、アマゾンの熱帯雨林で発見された新種の昆虫、犬に噛みついて逮捕された男性、出生率増加というテーマの中から1つ選び、100-130語で記述、横浜国大は、日本を訪れる予定の妹とその友人がお金をかけずに日本で楽しみたいというカナダの友人からのEメールに対して75~100語で返信するという想定で記述させるものでした。(以上、すべて前期)

 私立大は、国公立ほど自由英作文は多くありませんが、早稲田大(法)は、活字書籍と電子書籍のどちらを好むか、1つパラグラフ内に理由を2つ書かせる設定。慶応大(経)は、未成年者飲酒禁止法の年齢引き下げ、もしくは死刑廃止論のいずれかのテーマを選び、自由記述させつつ、その中で自分の意見と異なる見解に言及し、それに反論させるという条件を課しています。

1I7A05.JPG  このような正解が一つとは限らない納得解を要求する設問は、次期学習指導要領の真骨頂とも言えるものですが、その対策は、添削指導を受け、背景知識を増強、論理的思考力を強化することです。ネイティブの先生も含めて先生方がどのように修正・加筆されるかもしっかり学んだ上で、問題集や予備校の模範解答と自分の解答を比較すると語彙、語法のみならず、テーマに対する着眼点の勉強にもなるでしょう。(英作文対策は校長ブログ6.16

[参考]日本語の干渉に注意

 人は誰もが皆、母国語を習得しますが、外国語を学習すると母国語に引きずられ、さまざまな誤りが生じます。これを母国語の干渉と言います。例えば、「食べられないほどたくさんの食べ物を買ってはいけません」を比較級を使って書かせると、初心者ほど日本語に引きづられ、Don't buy more food than you cannot eat.などとしてしまいがちです。日本語では否定文に見えても、英語では否定語を含まないものがあります。「食べられない」という部分は否定になっていますが、意訳にすぎません。英語は、直接的な言い方を好む言語ですから、談話情報の<事実>を優先して「食べることができる以上の食べ物を買ってはいけません」という発想の英語を書かなければならないのです。ここではDon't buy more food than you can eat.が正解。類例として、「暗くならないうちに家に帰ったほうがよい」は、You should go home before it doesn't get dark.ではなく、...before it gets dark.「そのリンゴは新鮮ではないから食べられない」は、The apple is not so fresh that you cannot eat it.ではなく、...that you can eat it.(not so〜that...構文にも注意)といったものが挙げられます。(平井「日本語の干渉に注意」『英語教育6月号第54巻第3号』 2005、大修館)
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