進路実績卒業生インタビュー

推薦入学で
東大理学部に合格

初芝富田林中学校→初芝富田林高等学校→東京大学

東京大学 理科一類

喜田 輪さん

vol.1東大で物理を学ぶということ。

推薦入試で東大理学部に合格。

初芝富田林
喜田さん、こんにちは。喜田さんは推薦入試で東大に合格したんですね。
喜田さん
僕のように東大理学部の物理学科を志望する場合、一般入試では「理科一類」を受験して入学し、2年生の時の成績による選抜を経て希望学科に進学することになります。一方、推薦入試だと受験時に希望する学部学科を選択することができます。僕はどうしても物理学科に進みたかったので、推薦入試を受験しました。
初芝富田林
でも東大の推薦入試は超難関だといわれています。推薦入試の募集枠は全学部で100人ですが、2019年の合格者は66名でした。つまり東大が求める学生像、学力のレベルに達している学生が少なかったということだと思います。それに合格するというのは素晴らしいことですね。
喜田さん
ありがとうございます。僕は高校3年の時にポルトガルで開催された「国際物理オリンピック」で銀メダルをいただきました。そうした実績もあったので、チャレンジしようという気になったんです。
初芝富田林
高校生の頃から物理の研究者を志していたそうですが、まずは日本トップレベルの東大理学部に合格し、その一歩を踏み出したのですね。

国際オリンピック出場メンバーと自主ゼミで勉強。

喜田さん
でも実際に東大に来てみて、物理の研究者になるということがどれだけたいへんかを実感しています。
初芝富田林
やはりすごい学生が多いですか。
喜田さん
そうですね。物理の研究者として東大に残るためには、優秀な学生たちの中でも飛び抜けて優秀でなければなりません。理学部物理学科に入学できるのは、理科一類の1000人を超える新入生の中で70人あまり。そして上級生や僕のあとに入学してくる学生も合わせると数百人の人たちと競争するということです。
初芝富田林
たいへんな世界ですね。
喜田さん
実際にまわりの人と話してみて、できる人はすぐにわかります。国際物理オリンピックに日本代表として参加した高校3年生のメンバーは僕を含めて4人ですが、その全員が東大に入学しました。つまり東大の物理学科に進める理科一類には、物理学を追究したい日本の受験生の本当に最上位の人たちが集まってきているのです。そんな東大で僕もこれからトップをめざしてがんばっていくことになります。
初芝富田林
そんな東大の物理学は、1年生の授業でもかなりハイレベルなんでしょうね。
喜田さん
もちろん授業もかなり難しいですし、先生もすごい人ばっかりです。しょっちゅう海外の学会に出かけているような人とか…。でも僕たち国際物理オリンピックに出場したメンバーはすでに大学の1~2年生レベルの物理はクリアしているので、いま出場メンバーで集まって自主ゼミをやっています。
初芝富田林
日本代表メンバーによる自主ゼミですか…。すごそうですね。
喜田さん
国際物理オリンピックの出題範囲に入っていなかった「流体力学」の分野について、みんなで楽しく勉強しているんです。
初芝富田林
みなさん高校の頃から独学で物理を勉強することに慣れているんですね。面白いお話をありがとうございました。

COLUMN東京大学の推薦入試

東大の推薦入試は2016年度から始まりました。従来の一般入試は「1~2年生は6つの学科類からなる教養学部に所属し、2年生で進路選択が行われ、3年生から学部学科に分かれる」という制度。それに対して推薦入試は入学時に志望する学部学科を選択できる方式を導入し、1~2年次に進路選択を意識しない自由な学びができるようになっています。推薦入試で入学した学生は、一般入試と同様に教養学部に所属して教養教育を受けると同時に、専門教育の前倒しや研究室での研究に参加したりといった「早期教育」を受けることになります。推薦入試では高校での活動(論文、社会貢献活動、学術的な各種コンテストでの成績、外国語の能力、留学経験など)の成果のほか、センター入試の得点や面接によって選考が行われるほか、学部によっては小論文やグループディスカッションが課されるケースも。募集人員は約100人で、2019年の合格者は66名です。

●推薦入試の募集人員

●推薦入試のしくみ

vol.2作曲クラブでDTMに挑戦。

東大にはサークルが山ほどある。

初芝富田林
前回は、超難関の推薦入試で東大理学部を突破した喜田さんに、東大で物理学を追究することへの抱負についてお話しいただきました。
今回はそんな喜田さんのキャンパスライフについてうかがいたいと思います。
喜田さん
東大の「作曲サークル」に入部しました。東大の教養学部にはサークルが山ほどあって、非公式なものも合わせると数え切れないほどだと思います。そして僕が入部した作曲サークルは、DTM(Desktop Music)といってパソコンで音楽をつくる活動をしています。
初芝富田林
喜田さんは音楽がお好きなんですね。
喜田さん
聴く方は以前から大好きで、リズム&ブルースやソウルミュージック、古いポップスなんかをよく聞いています。高校3年の時にiPadに作曲のアプリを入れて曲をつくりはじめたんですが、これからは本格的に曲づくりをしようと…。
初芝富田林
高校ではサークルに入っていなかったんですよね。
喜田さん
そうなんです。最初ダンス部に入ろうかなとクラブ体験に参加したんですが、その活動内容の「本気度」を見てとても勉強との両立は無理だなと思ってあきらめました(笑)。
初芝富田林
コンピュータで作曲をすることの面白さは?
喜田さん
楽器ができなくても全部一人で音楽を完成させられるところですね。どんな楽器の音でも自分でつくれるし、ボーカルの声だってコンピュータでつくれてしまいます。
初芝富田林
サークルの活動は週に何回くらいあるんですか?
喜田さん
メンバーが集っての活動は週に1回です。ですから時間には比較的余裕があり、授業のない日は自宅でパソコンを使ったアルバイトなどもしています。

1年生のうちに理系科目を履修。

初芝富田林
いまはどのような科目の授業を受けていますか?
喜田さん
教養学部の授業は文系・理系で4つの系列があり、2年間で文系の授業3コマを履修しないといけません。僕はこの1年間は理系の授業だけを選択しました。
初芝富田林
文系の科目は2年生にまわそうと…。
喜田さん
最初に理系の授業で頭を鍛えておいたほうが、2年生以降の勉強にプラスになると考えました。そして2年生では、音楽や美術などの分野の教養科目を履修したいなと思っています。もちろん、教養科目といっても東大の授業ですから教える先生も授業内容も最高レベルです。
初芝富田林
なるほど。作曲サークルに入ったり音楽や美術の授業に興味があったりと、喜田さんは芸術にも関心があるのですね。
喜田さん
東大の名物サークルに「時代錯誤社」という文芸サークルがあり、そこでは学生アンケートをもとに授業の難易度や単位の取りやすさ、出席やレポートの有無などを冊子にして配布しています。それを見ながらどんな授業を選択するかを考えるのも楽しいですよ。
初芝富田林
楽な授業ばかり取る人もいるのでしょうね。
喜田さん
でもそれだと単位のほかには授業から何も得られません。一方、極端に難しい授業だとがんばって出席しても内容が理解できない上に単位がもらえないという結果になりかねません。そこが悩みどころです。僕はその中間あたりの授業を選んでいますが、好きな物理や数学の授業はレベルの高いものを選びました。
初芝富田林
何事にも計画的、合理的にあたる喜田さんらしいお話ですね。ありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします。

vol.3物理チャレンジから国際物理オリンピックへ!

生まれて初めての「緊張」体験。

初芝富田林
このインタビューシリーズで、同じ東大理科一類1年生の手良脇 大誠さんが「全国物理コンテスト 物理チャレンジ」について話してくれました。
喜田さんは高校2年の時に手良脇さんといっしょに全国大会に出場されたんですね。
喜田さん
僕は高校1年の時から3年間連続して全国大会に出場し、1年と2年の大会では国際大会に出場する代表候補に選ばれました。
手良脇くんとは2年と3年の時にいっしょに全国大会に出場しています。
初芝富田林
手良脇さんのお話では、全国大会では、ダンボールの箱に入って実験をするそうですね。
喜田さん
はい。「独房」とみんなが呼んでいた箱ですね。初めてあの箱に入った時は、人生で初めて緊張というものを味わいましたよ(笑)。
初芝富田林
初めてですか…。喜田さんは小学校6年生で「英検1級」に合格したんですよね。その試験では英語での面接もあったと思いますが、その時には緊張しなかったのですか?
喜田さん
あの時は英語で適当なことを受け答えしていただけなので気が楽でした。でも物理チャレンジの「独房」では違いましたね。最初に出場した時には僕は高校1年生で、まわりはみんな上級生です。知らない人ばっかりだし、みんなかしこそうだし。そのうえダンボールの箱みたいなのに入れられて、実験装置を渡されて…。そりゃあ緊張しますよね。
初芝富田林
それが人生はじめての危機だったのですね。
喜田さん
しかも会場の照明は暗いし、準備された実験道具がおそまつで、実験の材料を貼りつけるテープがうまくひっつかないんです。
初芝富田林
へ~。困りましたね。
喜田さん
ダンボール箱の中で悪戦苦闘していると、周囲から実験材料をうまく貼りつけられずに落っことす音が聞こえてくるんです。「カラーン、カラーン」と。それで泣きそうになって、30秒くらい手が動かなくなってしまいました。
初芝富田林
それで?
喜田さん
そこで冷静に考えてみたんです。条件はいっしょなんだから、みんなどうせ同じようなもんだろうと。
初芝富田林
まわりでも失敗する音がしているわけですからね。
喜田さん
そう思ったら、すっと緊張が解けてなんとかしようという気持ちになりました。
初芝富田林
すごいストレス耐性の強さですね。さすが喜田さんです。

日本代表に選出。国際大会への出場を果たす。

喜田さん
全国大会で優秀な成績を収めると翌年の「国際物理オリンピック」に出場する日本代表の候補に選ばれます。候補になれるのは12人で、それから日本国内で3回の合宿を経て最終の日本代表5名が決定されるんです。
初芝富田林
日本の全国大会で翌年の世界大会の代表が選ばれるんですね。
喜田さん
そうです。ですから高校生が対象となる国際大会に出場するには高校2年で代表候補に選ばれないといけません。もちろん僕と手良脇くんのように高校3年で全国大会に出てくる人もたくさんいますが、翌年には大学生になる高3生は全国大会で入賞しても国際大会の代表候補にはなれないのです。
初芝富田林
喜田さんは当初から国際大会を目標にしていたと…。
喜田さん
そうですね。ベストの結果を出せれば僕も国際大会の出場資格を得られるだろうと思っていました。結果として1年生でも2年生でも日本代表候補に選ばれ、高校3年生の時にはポルトガルのリスボンで開催された国際物理オリンピックに出場できました。
初芝富田林
大きな夢がかなったのですね。
喜田さん
「はつとん」の中学に入学した当時は数学の世界大会をめざしていました。放課後に数学好きの仲間と集まって勉強会を開いたり…。そして中学3年生の時に母が物理学を勧めてくれて、目標を国際物理オリンピックに変更したんです。
初芝富田林
小学生のうちに英検1級に合格した喜田さんに英語を教えてくださったのもお母さんなんですよね。
喜田さん
父も母も、僕に「世界一」になってほしいと心から願ってくれています。その思いを感じながら、いつも感謝しています。
初芝富田林
では次回は、喜田さんが銀メダルを獲得した「国際物理オリンピック」の様子についてお話をうかがいます。ありがとうございました。

COLUMN国際物理オリンピック

年にポーランドのワルシャワで第1回大会が開催された物理の国際的なコンテストで、毎年夏休みに開催されています。喜田さんが参加した2018年のポルトガル大会は第49回で、86か国・地域から大学入学前の若者396名が参加し、物理学関する能力を競いました。日本代表は高校3年生4名と高校2年生1名。この5名のうち1名が金メダルを、喜田さんを含む4名が銀メダルを獲得しました。

喜田さんに授与された銀メダル。5人の代表のうち金が1名、銀が4名という快挙をあげた。
日本代表のメンバーたち。高校年だった一人を除いて4名全員が東大に進学。

vol.4世界中から秀才が集まる「国際物理オリンピック」に出場。

高校3年の7月、ポルトガルのリスボンへ。

初芝富田林
喜田さんは高校2年生の時に日本で開催された「全国物理コンテスト 物理チャレンジ」で金メダルを獲得し、翌年にポルトガルで開催された「国際物理オリンピック」に日本代表として参加したんですね。
喜田さん
はい。そこまでは前回お話ししました。ただ日本の全国大会でメダルをもらってもそのまま日本代表として国際大会に出場できるわけではありません。メダルを獲得した生徒を中心に12名の代表候補が選ばれ、3回の合宿と最終選考を経て5名の代表が選ばれるんです。
初芝富田林
合宿はどこで行われるんですか?
喜田さん
最初の合宿は9月に軽井沢にある研修所で2泊3日で行われました。内容はひたすら授業です。過去に出題された国際大会の問題やその類似問題をどんどん解いていく。生徒は全国から選ばれた12人ですし、先生も大学の教授や東大の大学院生など超一流です。前年の国際大会に出場した先輩も来てくれました。当然ですが内容は難しいし少人数ですから濃密な指導を受けられます。
初芝富田林
すごい合宿ですね。まさにオリンピック強化合宿。
喜田さん
国際大会の問題はさすがに日本国内の大会とはレベルが違います。問題の内容は日常性が高いものでもいざ解こうと思うと一般的な計算方法では無理。しかも国際大会の問題は毎年難しくなっていく傾向があるんです。
初芝富田林
毎年難しくなる…。
喜田さん
どうやら問題を作成する開催国が「自国の意地をかけて」難度を毎回上げてきているらしいです(笑)。
初芝富田林
なるほど~。
喜田さん
そういった合宿がその後も冬と春にあります。そして最後の春合宿で選抜試験があり、12人の中から代表5名が選ばれるんです。
初芝富田林
喜田さんは日本の大会で金メダルをもらっていたので、選ばれる自信があったのではないですか?
喜田さん
一応、手応えというか…。何しろ代表候補に選ばれるのも2年目でしたから。
初芝富田林
最後の合宿のあとで結果が発表されるんですか?
喜田さん
本人に電話がかかってくるんです。
初芝富田林
電話ですか。メールとかじゃなく。
喜田さん
はい。ですから電話を待っている間はやっぱりドキドキしましたね(笑)。
初芝富田林
それで無事に電話もかかってきた、と。
喜田さん
はい。そして日本代表になってからも添削で指導が続きました。また夏の国際大会の直前にも合宿があり、どんどん力をつけて大会に出場することができるんです。それが何よりも自分自身にとってプラスになったと思っています。
初芝富田林
なるほど。「国際物理オリンピック」の選手に選ばれ、大会に参加するプロセスでも能力が高まっていく…。日本の高校生を代表して国際大会に出ていくわけですから、気合が入っていますよね~。で、いよいよポルトガルの首都・リスボンに向けて出発したのですね。

世界から集まった396人の高校生たちと交流。

初芝富田林
さて、喜田さんが参加した2018年の国際大会はポルトガルの首都・リスボンで開催されたわけですが、喜田さんはそれまでに海外旅行の経験はありましたか?
喜田さん
初芝富田林中学の修学旅行がロサンゼルスでの語学研修でした。また僕が小さい頃に両親にグアムに連れて行ってもらったのですが、あまり覚えていなくて。
初芝富田林
リスボンを訪れたときの印象はいかがでしたか?
喜田さん
「空が広いな~」っていうのが第一印象でした。視界が広いんです。日本のように背の高い建物が視界をさえぎるということもないし。電線も全部地中に埋められていて、通りもスッキリしています。都市の景観を大切にしている点で、さすがヨーロッパは違うなと思いました。
初芝富田林
食事はいかがでしたか?
喜田さん
おいしかったです。ポルトガルは米が主食なんですよ。少しパラッとしたようなお米で、ピラフのように味付けをして出されます。海に面した国ですから魚も美味しいし…。とくに国際大会のプログラムのひとつとして文化体験(エクスカーション)があり、そこで連れて行っていただいたレストランの料理が強く印象に残っています。
初芝富田林
なるほど。物理のコンテストだけでなく、現地の文化に触れるプログラムもあるのですね。なにしろ86か国・地域から396人もの高校生が参加している大会ですから、全日程を通じて異文化交流の機会にあふれているといった感じですね。
喜田さん
はい。それはもう、いろいろな国、言語の人たちがいて、すごく刺激的な環境です。400人近い選手が30人程度のグループにわかれて文化体験や観光に参加していました。僕のグループには日本人の他にロシアやチェコの人もいて、けっこう仲良くなれました。
初芝富田林
参加者同士のコミュニケーションは英語ですか?
喜田さん
はい、もちろん英語です。
初芝富田林
喜田さんは小学校6年生のときに英検1級に合格したほどですから英語でのコミュニケーションには何の問題もないでしょう。他の参加者もさすが秀才ぞろいですね。
喜田さん
そうですね。英語ができないとせっかくの国際交流のチャンスが活かせないと思います。ただし国際物理オリンピックの問題は日本のスタッフの方々が日本語に翻訳した上で出題されます。
初芝富田林
なるほど。では次回はいよいよ、国際物理オリンピック大会の本戦の様子についてお話しいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

vol.5「国際物理オリンピック」で銀メダルを受賞。

ハイレベルの実験問題にチャレンジ。

初芝富田林
では国際大会の試験の内容について教えて下さい。
喜田さん
実験問題が5時間、理論問題が5時間。二日間にわたって試験があるのは日本での「物理チャレンジ」の大会と同じです。
初芝富田林
国際大会の問題が毎年難しくなっていくというお話でしたが。
喜田さん
そうなんです。とくに実験問題の1問めは「紙トランジスタ」が題材に出てびっくりしました。
初芝富田林
紙でできたトランジスタですか?
喜田さん
紙に回路を印刷することでトランジスタの性能をもたせたもので、多様な用途に使えて廃棄も簡単ということで注目されている技術です。実はこの紙トランジスタを開発したのがポルトガルなんです。
初芝富田林
開催国が自国の技術のアピールに「国際物理オリンピック」を利用しているのですね。
喜田さん
そうなんです。これはポルトガルだけでなく、どの国が開催国になっても自国が強みとする分野の問題を出すという傾向があるようです。
初芝富田林
喜田さんは紙トランジスタについては詳しく知っていましたか?
喜田さん
ぜんぜん(笑)。でも実験そのものはトランジスタを電源につないでマルチメーターで計測するというものですから、できないことはない。ただそこで問われている内容が難しくて、おそらく誰も完ぺきには解けないだろうなと思いました。
初芝富田林
喜田さんも全部はできなかったと?
喜田さん
部分点を稼げるように、できるところをしっかりと計測してなんとかしました。
初芝富田林
まわりの人も同様だったのでしょうか。
喜田さん
実験が終わった時に前に座っていた韓国人に聞くと「難しすぎるわ~」と。でも右隣の中国人は「たしかに難しかった。でもだいたいはできたよ」という返事でびっくりしました。
初芝富田林
さすが中国の高校生ですね。レベルが高い。

銀メダルを受賞して帰国し、両親に報告。

初芝富田林
そして最終日程でメダルの発表がありましたね。喜田さんは見事に銀メダルを受賞しました。
喜田さん
実は発表がある閉会式が始まる前から、座席の順番で銀メダルをいただけることはわかっていたんですよ。ホテルに座席表が貼り出されていて、それを見たらすぐにわかります。
初芝富田林
そうなんですね。でもメダルをもらった時はうれしかったでしょう?
喜田さん
そりゃあもう。大きな目標でしたから。それから驚いたのは、先ほどお話しした、僕の右隣に座っていた中国人が「世界一」の成績だったことです。
初芝富田林
難しい実験問題をクリアできたと答えた人ですね。
喜田さん
そうなんです。しかも彼は実験問題も理論問題もともにほぼ満点。両分野でトップの成績で世界一になったんです。
初芝富田林
すごい人が隣りにいたんですね~。
喜田さん
はい。世界のレベルの高さを思い知りました。
初芝富田林
それから帰国したわけですが、ご両親も喜んでいたでしょうね?
喜田さん
帰宅して銀メダルを渡したらすごく喜んでくれて…。とくに母は物理学へのチャレンジを僕にすすめてくれた人ですから…。
初芝富田林
中学3年生の時にお母さんから「国際物理オリンピック」のことを教わり、独学で物理学の勉強を始めたんですよね。それから3年で世界トップレベルの高校生になった喜田さん。そして東大にも難関の推薦入試で合格と、着実に目標を達成していますね。
今後のご活躍が楽しみです。この一年間、いろいろなお話を聞かせていただきありがとうございました。どうもありがとうございました。

*ここに掲載された文章は、本人への取材をもとに初芝富田林高校が作成しています。

*すべての文章、内容の責任は初芝富田林高校にあります。

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