経済産業省は、人間がAIと共存していく社会で必要となる能力をチェンジ・メーカー(未来を創る当事者)と定義し、アダプティブ・ラーニング(個別最適学習)、文理融合を通じたSTEAM教育等を推奨、社会課題の解決をテーマ化し、学びのシステムの環境づくりとして「未来の教室」を進めています。校長ブログ 2019.11.12

 本校がめざす「未来の教室」のコンセプトは、教科の背景知識を強化する従来の指導に加えて、課題発見・解決への探究・プロジェクト型学習(PBL)を融合し、多様な学び方の選択肢を実現すること。同時に、生徒個々の興味・関心、あるいは認知特性を踏まえて、学習ログをデータベース化し、PDCAサイクル定着に主眼を置いた自律学習基盤を構築することです。

 2019年度から平常の授業時間を6限(土曜は4限)とし、基礎・基本を徹底、7〜8限は校内予備校(オプション)や「超進学校化プロジェクト」における5教科のオリジナル講座を開講することによって、“学びの選択”を可能にしました。今、注力しているのは、効果的な時間の使い方で高い学習効果を上げること。そのためには、教師からの一方向型授業だけでなく、EdTech(エドテック:education[教育]とtechnology[テクノロジー]の造語、校長ブログ2019.9.16による自律学習と学び合いをより効果的に組み合わせなければなりません。

 本校では2020年に向けた取り組みがすでに始まっています。例えば、数学では、授業内外でタブレットPCを用いて解く練習問題をAIが自動採点・誤答分析し、生徒の到達度に合わせてセレクトされた問題にチャレンジできるようにすることで、教科担当者がきめ細かく個別指導できる指導法を開発中。これは到達度に合わせた演習量を増加させ、基礎学力及び学習意欲を向上することをねらいとしており、3学期から中1〜2で試行、4月から中高全学年(高3は数学選択者のみ)で導入予定です。

 アダプティブ・ラーニングのツールになるのがタブレットPC。本人のやる気次第で、学校での学習内容を自宅で類題演習でき、自動分析に基づき、定着度を上げることができます。また、フィードバックが速く、反復学習が可能であるのと同時に、楽しみながら学習できるというメリットもあります。今、探求の授業で資料・データを収集する、自宅では英単語・漢字・計算の練習や地名・歴史上の人物を暗記する復習用として、ゲーム感覚で取り組めるアプリを利用するといった取り組み(ゲーミフィケーション)等々を模索しています。

 現在、本校ではタブレットPCは1人1台、全生徒がそれを使った学習を行える環境が整っています。2019年度から機種はSurface Go(Microsoft)を使用。校長ブログ2019.10.14これは一定のパフォーマンスをもち、軽量で安価、本校の教育活動に最適であり、生徒や教職員からもポジティブな声が多く聞こえてきます。校長ブログ2019.11.9

1人1台、タブレットPCを使用。
(写真は2019年度から導入したSurface Go(Microsoft))

 教育効果を上げるためには、プログラムを単にデジタル化した「知識学習」だけでは不十分。生徒個々の進捗状況を一元管理し、「経験学習」ができる 学習管理システム(LMS :Learning Management System) が不可欠です。LMSは、インターネット上で教材を配信したり、学習履歴を管理するためのプラットフォームですが、ログインして学習する受講機能と教科担当者や担任がリアルタイムで指導できる機能から成り立っています。本校では、LMSを最大限に活用して、PDCAサイクルを回すカリキュラム・マネジメントの準備が進められています。

 AIの進展、グローバル化における協働に向けて、主体性や判断力、表現力を伸ばすことが求められています。学ぶ内容だけでなく、「何ができるようになるか」「どのように学ぶか」が焦点化され、“能動的な学び”が謳われています。アダプティブ・ラーニングは、学習者に最適な学習内容を提供することによって、より効率的、効果的な学習を実現することが目的ですが、教員の経験による感覚的なものだけでなく、生徒の学習状況を蓄積し、AIなどのICT技術によって到達度に応じたオーダーメイドの学習内容を提供してくれるものなのです。校長ブログ2019.11.19

 これからはイノベーションが求められる時代。だからこそ、本質を見極め、既成概念にとらわれない着眼点とそれを実現する真の実力を養えるようなシステムづくりに邁進していこうと思います。

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