初芝富田林高等学校 
喜田さん

喜田さんは高校2年生の時に日本で開催された「全国物理コンテスト 物理チャレンジ」で金メダルを獲得し、翌年にポルトガルで開催された「国際物理オリンピック」に日本代表として参加したんですね。

はい。そこまでは前回お話ししました。ただ日本の全国大会でメダルをもらってもそのまま日本代表として国際大会に出場できるわけではありません。メダルを獲得した生徒を中心に12名の代表候補が選ばれ、3回の合宿と最終選考を経て5名の代表が選ばれるんです。

合宿はどこで行われるんですか?

最初の合宿は9月に軽井沢にある研修所で2泊3日で行われました。内容はひたすら授業です。過去に出題された国際大会の問題やその類似問題をどんどん解いていく。生徒は全国から選ばれた12人ですし、先生も大学の教授や東大の大学院生など超一流です。前年の国際大会に出場した先輩も来てくれました。当然ですが内容は難しいし少人数ですから濃密な指導を受けられます。

すごい合宿ですね。まさにオリンピック強化合宿。

国際大会の問題はさすがに日本国内の大会とはレベルが違います。問題の内容は日常性が高いものでもいざ解こうと思うと一般的な計算方法では無理。しかも国際大会の問題は毎年難しくなっていく傾向があるんです。

毎年難しくなる…。

どうやら問題を作成する開催国が「自国の意地をかけて」難度を毎回上げてきているらしいです(笑)。

なるほど〜。

そういった合宿がその後も冬と春にあります。そして最後の春合宿で選抜試験があり、12人の中から代表5名が選ばれるんです。

喜田さんは日本の大会で金メダルをもらっていたので、選ばれる自信があったのではないですか?

一応、手応えというか、、、。何しろ代表候補に選ばれるのも2年目でしたから。

最後の合宿のあとで結果が発表されるんですか?

本人に電話がかかってくるんです。

電話ですか。メールとかじゃなく。

はい。ですから電話を待っている間はやっぱりドキドキしましたね(笑)。

それで無事に電話もかかってきた、と。

はい。そして日本代表になってからも添削で指導が続きました。また夏の国際大会の直前にも合宿があり、どんどん力をつけて大会に出場することができるんです。それが何よりも自分自身にとってプラスになったと思っています。

なるほど。「国際物理オリンピック」の選手に選ばれ、大会に参加するプロセスでも能力が高まっていく…。日本の高校生を代表して国際大会に出ていくわけですから、気合が入っていますよね〜。で、いよいよポルトガルの首都・リスボンに向けて出発したのですね。

さて、喜田さんが参加した2018年の国際大会はポルトガルの首都・リスボンで開催されたわけですが、喜田さんはそれまでに海外旅行の経験はありましたか?

初芝富田林中学の修学旅行がロサンゼルスでの語学研修でした。また僕が小さい頃に両親にグアムに連れて行ってもらったのですが、あまり覚えていなくて。

リスボンを訪れたときの印象はいかがでしたか?

「空が広いな〜」っていうのが第一印象でした。視界が広いんです。日本のように背の高い建物が視界をさえぎるということもないし。電線も全部地中に埋められていて、通りもスッキリしています。都市の景観を大切にしている点で、さすがヨーロッパは違うなと思いました。

食事はいかがでしたか?

おいしかったです。ポルトガルは米が主食なんですよ。少しパラッとしたようなお米で、ピラフのように味付けをして出されます。海に面した国ですから魚も美味しいし…。とくに国際大会のプログラムのひとつとして文化体験(エクスカーション)があり、そこで連れて行っていただいたレストランの料理が強く印象に残っています。

なるほど。物理のコンテストだけでなく、現地の文化に触れるプログラムもあるのですね。なにしろ86か国・地域から396人もの高校生が参加している大会ですから、全日程を通じて異文化交流の機会にあふれているといった感じですね。

はい。それはもう、いろいろな国、言語の人たちがいて、すごく刺激的な環境です。400人近い選手が30人程度のグループにわかれて文化体験や観光に参加していました。僕のグループには日本人の他にロシアやチェコの人もいて、けっこう仲良くなれました。

参加者同士のコミュニケーションは英語ですか?

はい、もちろん英語です。

喜田さんは小学校6年生のときに英検1級に合格したほどですから英語でのコミュニケーションには何の問題もないでしょう。他の参加者もさすが秀才ぞろいですね。

そうですね。英語ができないとせっかくの国際交流のチャンスが活かせないと思います。ただし国際物理オリンピックの問題は日本のスタッフの方々が日本語に翻訳した上で出題されます。

なるほど。では次回はいよいよ、国際物理オリンピック大会の本戦の様子についてお話しいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

*ここに掲載された文章は、本人への取材をもとに初芝富田林高校が作成しています。

*すべての文章、内容の責任は初芝富田林高校にあります。

次回は<第5回 「国際物理オリンピック」で銀メダルを受賞>です。お楽しみに〜。

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