学校生活

【はつとんWeekly】 校長室より(2)

「挨拶の励行」

 本校の生徒の多くは、スクールバスを利用しています。生徒たちは、バスから降りる時、運転手さんに「ありがとうございました」と礼を言い、私たち教職員に会うと「おはようございます」と挨拶をしてくれます。
 「挨拶の励行」は、開校以来「はつとん」が掲げていることです。教職員も生徒も挨拶を大切にしています。挨拶は、コミュニケーションの第1歩とよく言われますが、何より気持ちのいいものです。
 「はつとん」ではこの挨拶をはじめ、言葉使いや様々な場面での所作など「礼」を重んじる雰囲気があります。それも堅苦しい感じではなく、たいへん明るい印象です。 そこで、今回は挨拶や礼について書きたいと思います。

Bus.JPG 昔、次のような話を聞きました。
 毎朝歩いて通勤している女性が、ある日、車道を走っている路線バスの年配の運転手さんと目があいました。女性は反射的に頭を下げて挨拶をしました。それにつれて運転手さんも頭を下げて挨拶を返しました。それから毎日、歩道と車道の間で一瞬の挨拶が交わされる日が続きました。
 ところがある日、朝の同じ時間に、行きすぎるはずのバスが停車をし、運転手さんが降りてこられて女性に声をかけました。「毎朝挨拶をしていただいてありがとうございました。定年で本日が最後の運行ですので御礼をと思いまして。毎朝の挨拶のおかげでその日一日を楽しく過ごすことができました。ありがとうございました。」といった内容のことを女性に伝え、丁寧にお辞儀をして最後のバス運行の仕事に戻られたそうです。

 また、別の話で、ある武道家が、正座をして頭を下げて礼をするときに、相手が視界に入っている必要があると言われました。武道家たるもの隙を見せてはいけないということです。一方で、別の武道家は、丁寧に気持ちを込めて礼をすると、相手を視界に入れずとも相手は攻撃などできないものである、と言われました。
 二人の武道家の言われていることは、たぶんともに正しいのです。それは、それぞれが、それぞれのかかわりの中で考えればよいことだと思います。ただ、「礼」が行動としてなされるときには、気持ちがそこにないと「礼」の意味をなさないということだと思います。
Rei.JPG 新渡戸稲造の『武士道』には、真の礼に関して、「他人の感情に対する同情的思いやりの外に現れたものである」と書かれていて、本当にその通りだと思います。「礼」は、コミュニケーションを円滑にし、周りの雰囲気を明るくし、そして生きがいにも、自分自身を守ることにもつながるのです。

 「挨拶の励行」、これからも大切にしていきたいものです。

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