学校生活

【はつとんWeekly】 校長室より(3)

 はつとんでは授業の中で、「問い」を大切にしています。昨年度、授業中に先生方が生徒に向けて発問した「問い」を集めて、年度末に先生方の間で見てもらうようにしました。様々な教科のさまざまな「問い」があり、学びが深まっているであろうことを感じることができましたし、お互いに参考になったのではと思います。

 その中で

log_s.jpg は当たり前ですよね?』

という問いがありました。

 指数関数と対数関数の関係が逆関数の関係から当たり前と言って欲しいのですが、さまざまな計算方法や変形を学んだ後では、案外、何とか計算で確かめようとするのかもしれません。

Graph_S.JPG

 不思議なことに歴史的に対数は指数より先に登場しました。そしてそれらを関数として扱うために、変数部分が実数を動いたり複素数を動いたりするようになるまでには、また歴史的な時間が流れ、逆関数の考え方に行きつくのにも時間を要します。

 教科書での指数関数と対数関数の扱いも指数や対数の発見から考えると、先の問いも急に当たり前に思えなくなったりもします。

 蛇足ですが、対数はネイピア(1550-1617)により発見されましたが、乗法・除法を簡単に計算したいということがその思想の根底にあったようです。コンピューターのない時代ですから、対数の導入から対数表を作り計算を簡単に行うことができるようになるのは、とても大切なことだったろうと思います。その後、ブリッグス(1556-1630)により常用対数が完成され、ネイピアの本の英訳の付録で自然対数がオートレッドという人により紹介されたようです。

 少し調べると、歴史の中で人々が思いをもって取り組んできた学びに触れることができます。それは学ぼうとするものにだけ与えられるある種の喜びです。学校ではその喜びを生徒みんなに味わって欲しいと思い授業を工夫しています。「問い」の工夫もその一つです。喜びは共有や、更なる学びへの行動に繋がります。

 6月は授業見学をたくさんさせてもらいました。 生徒の次から次への質問を上手く整理しながら授業の核心を押さえる先生、式変形の意味を丁寧に説明しながら驚きの結果に導いていく先生、わざと脱線して深い話を垣間見せて生徒の動機づけを行う先生など、はつとんの授業の質の高さを感じ嬉しかったのと同時に、ますます、はつとんを良い学校にしたいと思いました。

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