学校生活

【はつとんWeekly】 国語科より(2)

 高校2年生の現代文Bの授業は、「論理的思考に基づく読解」「多角的・多層的な視野に基づく読解」「課題や疑問を自ら見つけ、自らその答えを導くこと」「大学入試につながる読解・記述問題への対応力養成」などを主眼に置き、日々展開しています。

 今回はその例として、1学期に実施した小説「山月記(中島 敦)」の授業についてご紹介いたします。執筆者が行った実際の授業展開は以下の通りです。

  • 予習として、「語句の意味調べ」「主人公(李徴)の人物像を表す語句をできる限り挙げる」(目的:人物像を多角的にとらえる)
  • 上記を踏まえ、「主人公(李徴)の人物像」を記述形式でまとめる(目的:人物像を多角的にとらえる、記述力の向上)
  • 人物の心情を語句の意味や文脈など、多方面から考え、記述形式でまとめる(目的:多層的な読解)
  • 人物の心情が抽象的な語句で書かれている部分を分析的に読解し、考察として具体的なにまとめる。まとめたものはClassiのアンケート機能を使って回答として入力し、全員でシェアする(目的:大学入試につながる読解力の養成、論理的思考に基づく読解)

     

 そして授業の締めくくりとして、親友と別れる主人公(李徴)の複雑な心情を、5人1組 のグループに分かれて読解→独白形式でまとめる、といった取り組みを行いました。取り組みの詳細は以下の通りです。

  • 読解すべき部分を5分割し、1人ずつ担当を決めて読解する。
  • その後、ファシリテーター(進行役)を決め、各部分の担当者の考えを順番に聞き、それをプリントに書き写していく。
  • 全員の考えが出そろったら、グループ全員で今一度討議し、独白形式でまとめていく。
  • まとめたものはClassiのアンケート機能を使い、グループの代表者がそこへ入力し、プロジェクターを通して前方へ映す。最後はグループの代表者1名が自グループでまとめた「独白」を読み上げ、クラス全員でシェアしていく。

     

 この取り組みは「ジグソー法」と呼ばれる手法を応用したものです。これにより、「伝え る・伝え合う力」「多角的な読解力」の向上を目指しました。ここまでの取り組みにおいて、生徒は時折苦労しながらも、真摯に臨み、添付した下画像(クリックで拡大されます)のようにまとめきりました。「山月記」のような、人間の生き方を問いかける作品に対して様々なアプローチをすることで少しでも生徒の心に残る、あるいは冒頭の授業のねらいの力がついていく、そんな一助になればと思い、授業展開していきました。2学期も引き続き、一生懸命授業をしていく所存です。

 

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