学校生活

【はつとんWeekly】地歴・公民科より(2)

 今年度の高校1年生からカリキュラムが新しくなり、地歴公民科にも大きな変化がありました。本校でも1年生では「歴史総合」と「公共」の授業が始まりました。「公共」は、生徒が近い将来、社会に参画し、様々な課題と向き合い、それを解決する力を養うことを目的としており、主体的・対話的で深い学びを取り入れることになっています。つまり、従来の知識注入型の一方的な授業ばかりでなく、生徒が学ぶ主体になっていく授業も行うということになります。

 

 2学期に入り、1年生の「公共」の授業では現在、日本国憲法の三大原則の一つ、基本的人権の尊重について学んでいます。その中で先日、「死刑制度」の是非を考えてもらう授業を行いました。事前準備として夏休みの課題で死刑制度について賛成か反対か、その理由も合わせて考えてもらい、シートへの記入をしてもらっています。この段階では圧倒的に死刑賛成派が多くみられました。そこで今回、生徒に対話をしてもらうにあたり、4つの課題文を準備しました。そのうち、1つだけが死刑賛成側の視点で書かれたもので、残りは死刑反対側の視点のものにして、次のように授業を展開してみました。

  • 4つの課題文のうち、1人2つずつを読む。課題文の1つずつに対して、死刑のメリット・デメリットを考える。
  • 同じ課題文を読んだ生徒とペアになり、意見を出し合い、死刑制度について、賛成か反対かを見つめ直す。
  • 今度は自分が読んでいない課題文で考えた生徒とペアになり、課題文の内容の要点を説明した上で、死刑のメリット・デメリットについて考えたことも伝える。
  • 4つの課題文を総合して、自分の死刑に対する考え方の変化を確認しながら、最後にもう一度、死刑制度について賛成か反対かを見つめ直す。

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 夏休みの時点では1人で考えてきたことを今回、別の情報を与えられて考えたり、周囲の人と話をすることによって、考えに変化がみられた生徒がかなりいます。また、結論が変わったという生徒もいました。
 今回の授業を通じて、何度か同じ質問を投げかけることが重要であると思っています。それは、新しい視点、情報が入るたびに考え直すことで、本質に近づくことができるからです。それが深い学びを生み出すことになると思います。
 主体的・対話的で深い学び、教える側は模索する日々ですが、生徒の方は回を重ねるごとに積極的かつ深い学びになっていくものと期待できる授業になりました。

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