学校生活
【はつとんWeekly】 理科より(2)
理科の授業では、必要に応じて実験を行います。一口に実験と言っても、その目的は様々です。
① 皆さんの興味関心を引くもの これは現在学習している内容には関係なく、反応が派手なもの、分かりやすいもの、実験がしやすいもの、結果が面白い(珍しい)もの、などが選ばれます。自然現象や化学反応そのものに興味関心を持ってもらうのが目的で、オープンスクールで行うような実験はこれに当たります。テレビのバラエティ番組などで行われる実験もこのようなものが多いですね。
② 物質の性質や反応の仕組みを考えるために行うもの(定性実験といいます) 『水素分子を点火したらポンという音がした』、『硝酸銀水溶液に塩酸を加えたら、白色の沈殿ができた』などがこれに当たります。物質の性質を確認したり、その性質を利用して化学反応が起こること(時には起こらないこと)を確認したりします。皆さんの理解の助けとすること、教科書で学習した内容を補完することを目的としています。
③ 反応や現象の量的な関係を確かめるもの(定量実験といいます) 金属マグネシウムと、加熱してできた酸化マグネシウムの『質量の関係』をはかる実験などがこれに当たります。他の実験に比べ精密な操作が必要となり、大学以降に行う研究に向けた精密ば操作の練習ともなります。また、定量実験でしか使わない器具もあり、その器具の使い方の学習にもなります。さらに、自分で求めた値を用いて計算をすることにより、比較的苦手な人が多い計算練習を意欲的に行うという目的もあります。
このように実験の目的は様々です。しかし、多くの実験に共通しているのは、『結果がわかっている』ことです。中学・高校のうちに、結果がわかっている実験を後追いして再現する練習を重ねることにより、大学入学後に行う『研究(結果や方法がわかってないもの)』へスムーズに進めるようになります。
筋力トレーニングは、どこの筋力を鍛えているのかを意識しながら行うと効果が高くなるそうです。皆さんも実験を行うときは、その目的を考えて行うことにより、さらに効果の高いものにしてみませんか?