学校生活

はつとんweekly⑩ 校長より 天災・人災

新年、明けましておめでとうございます。

2024年がスタートしました。今年は、元旦に能登半島地震が起こり、2日には日航機海保機衝突事故があり大変な幕開けとなってしまいました。お亡くなりなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された方々には心からのお見舞いを申し上げます。

科学が発展し、データサイエンスの隆盛が目覚ましく、年始にはAIが日本の未来を予想する特別番組が組まれたりする時代にあっても、人知の及ばない事柄がこの世の中にあるということを認識させられます。それでも、人々は東日本大震災の時の教訓を少しでも活かそうと、避難に向けてのアナウンサーの報道の仕方や、放送局の迅速な情報収集は目を見張るものがありました。

突発的な緊急事態にどのように判断し行動するかは、AIのなしえない人だからこその力です。衝突事故でも、あれほどの火炎の中、CAの皆さんがが中心となり、見ず知らずの人たちを18分間で乗員乗客379人全員を無事避難させました。人の判断と行動が生み出した奇跡だと思います。

天災に備えるために、人災を起こさないために、人々は様々な研究をし、多くの経験を活かし、予防しようとします。それでも、天災は起こってしまい、人災を起こしてしまいます。少しでも被害を抑えるために、その時の人の判断と行動は、瞬時に的確になされなければなりません。それは、過去を更新させることでしかなしえないと思います。

20世紀の大数学者ヘルマン・ワイルの言葉に次のようなものがあります。

「未来は現在に作用し、そのたびに現在をますます正確に決定する。一方で、過去には結末がない。かくして、自然の因果律の硬直した要求は退けられ、自然法則が妥当であるか否かに関係なく、因果律とはまったく無関係な自律的な決定の余地が残される。物質の基本的な量子とはこの決定の場所のことだと思われる。」

量子力学が、出来上がってきている時代の言葉で、もちろん数学や物理の世界からの時空概念に関する哲学的な言葉ではあるのですが、こういう意識は現実世界の我々の営みの中に浸透しているものなのだと思います。だからこそ過去を更新させるような、今の生き方が成立するのだと思います。未来を見据えながら我々は今を創っていきますが、今の生き方で価値が高められるような過去の変化が我々を支えることがあることを認識しておくべきだなのだと思います。

年始の困難、混乱が続かないように、日々の生活が安心して過ごせるように、これからの生活がより良いものになるように、祈りたいと思います。

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