学校生活

1学期終業式(校長ブログより)

 12日、1学期の終業式を実施しました。中学は Zoom を活用して、高校は教室にて放送を通じて行いました。中高ともに生徒手帳に記載してある大テーマと1学期の小テーマを確認し、"短い夏休み" の後、すぐにやってくる2学期への取り組みをお話しました。以下は、高校の終業式での内容です。

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2020高校の1学期終業式
学校長 平 井 正 朗
 新型コロナウイルス感染症拡大に伴う長期休校の後、6月15日から学校が再開され、中高略式の入学式、始業式を終えて、1カ月足らずで1学期終業式を迎えることになりました。遅ればせながらの新学期を迎えるにあたり、高校全体の大テーマと1学期の小テーマをお伝えしましたが、覚えていますか?2020年度をリセットしていく上で、確認しておきましょう。年間を通じての高校の大テーマは「得意分野を最大限に伸ばし、苦手分野を積み残さず、夢の実現にむけてたゆまず努力する」でした。生徒手帳で確認しておいてください。

 学年の小テーマについても振り返りをしておきましょう。高1は、「➀ 大学卒業後の社会がどうなっているか見極めて、なりたい自分を見つける。② 5教科の高1までの学習内容は完全にマスターできるPDCAサイクルをつくる」でした。高1は、将来、進みたいと思う分野での夢実現に向けて文理選択しなければなりません。これからの時代は教科横断的、難しい言葉で言えば、学際的(interdisciplinary)な背景知識が必要とされます。現段階では5教科の積み残しをなくし、苦手教科をつくらないこと。また、「探究総合」にも積極的に取り組み、正解のない問いに対する"最適解" を導く思考力、判断力、表現力を養うことが大切です。さらに、グローバル時代に通用するコミュニケーション・ツールとして、英語の4技能習熟やAI活用による数学のアダプティブ・ラーニング(個別最適学習)等を進めてほしいと思います。

 高2は、「① なりたい自分になるための学部・学科研究を進め、行きたい大学を見つける。② 中だるみに注意して、5教科の高2までの学習内容は完全にマスターできるPDCAサイクルをつくる」でした。高2は、2021年度から導入される「大学入学共通テスト」の2期生ということになります。センター試験同様、「大学入学共通テスト」で出題される問題の大半が高1~2の教科書内容と想定されています。その意味で、5教科の積み残しを解消し、不得意分野をつくらないこと。平常授業では基礎・基本の定着、「はつとんゼミ」では大学受験対策を徹底して、秋から模試に入ってくる理科・社会とのバランスのとれたアダプティブ・ラーニング(個別最適学習)を実践してください。また、「探究総合」では大学での真理探究に直結するアプローチを期待しています。

 高3は「➀ 初富プライド:社会に役立ちたいという高い志とお陰様でという感謝の気持ちを忘れず、自分を信じて、進路実現に向けて、努力し続けていく。② 目標達成に向けての凡事徹底:過去問研究による傾向と対策、大学研究と適切な受験計画を立てる」でした。例年なら大学のオープンキャンパス等に参加し、模試を受験して対策に取り組み、その結果を参考に受験先を検討していく時期だと思うのですが、新型コロナの影響で、計画通りに進まないのが現状です。新型コロナは、今後、どうなるかわかりませんが、現段階では学習の遅れを取り戻すため、2学期は17日からスタートし、受験対策を含め、様々な対策を行っていく予定です。それぞれが夢の実現に向けて、1日1日を大切にし、 しっかりと「自己調整学習」を行ってください。

 2021年度から大学入試の名称が 「一般入試→一般選抜」 「AO入試→総合型選抜」 「推薦入試→学校推薦型選抜」 に変わります。新しい入試で求められるのは「学力の三要素」と言われる① 知識・技能、② 思考力、判断力、表現力、③ 主体性です。「知識・技能」 と 「思考力、判断力、表現力」 は筆記試験が想定されますが、「主体性」についてはこれまでAO・推薦入試で評価されていたものが、一般選抜でも志望理由書や活動報告書等を作成させ、高校の調査書を活用することが推奨されていく方向となります。ポイントとなるのが、経験から何を学んだか、さらに言うと、自分がやりたいこと、一生懸命打ち込めることを見つけ、たとえ失敗しても何を学んだのかを自分の言葉で伝えられることです。形式としては、主体性のある経験を出願時に記入させ参考にしたり、調査書や志望理由書の評価を加味したりといったことが考えられますが、HPで方針を明示している大学が多いのでチェックしておきましょう。

 これから始まる公募推薦→共通テスト→私大→国公立前(中)後期→私大という入試日程を見据え、適切な受験計画を立ててください。国公立大学の 「総合型選抜」「学校推薦型選抜」 には積極的にチャレンジしましょう。詳細は各自で情報収集し、わからないことは担任や進路の先生に聞くこと。これから学力が上げることを前提に、チャレンジ、実力相応、セーフティネットを十分検討して、受験先を決定してほしいと思います。私大の指定校推薦については、資料が揃い次第、高3全クラスに掲示し、随時、更新していきます。受験勉強を回避するのではなく、本当に自分が専攻したい分野がある場合は、担任とよく相談してから応募してください。

 大学の先生方の入学式でのキーワードをまとめると、「予測困難な時代に、一人一人未来の創り手となる」というフレーズが多いのがわかります。逆境にあるからこそ、人間の知恵を結集させて最適解を探求し、未曾有の危機を克服する努力が不可欠であるということになります。山極寿一氏(京都大学学長)は、これまでも感染症に襲われる度に、人類の英知によって危難を克服してきた歴史的背景から「直面する危機も全世界の人々の協力で乗り越え、新しい世界の創造につながる」と述べられ、田中愛治氏(早稲田大学総長)は新型コロナ等、正解がない諸問題に対して、自分なりの「解決策を打ち出す力」を養うこと、長谷山彰氏(慶応大学塾長)は、感染拡大を防ぐ冷静な行動が「課題の本質を見極め、解決法を創造する学問」にも通じるとし、五神真氏(東京大学学長)は「自分の行動が他者や社会にどのような影響を与えるかを常に考え、思いやりを忘れずに行動すること」を強調されています。

 本校の指導方針は、現状の学力で合格できる大学に甘んじることなく、生徒個々のポテンシャルを最大限の伸ばす自律学習をサポートした上で、より高い志望をもたせ、将来、社会に役立つスキルを身につけるのに最適だと思う、本当に入りたいと思う大学合格へと導くことです。高3生諸君は、自分は何のために生きるのかという問いに正面から向き合い、将来の夢や志を探究することこそが、本当に行きたいと思う大学合格に向けて努力するための原動力になることを忘れないでください。自分を信じて、最後まで頑張りぬいてください。

 猛暑が続きますが、熱中症にはくれぐれも留意しましょう。17日は2学期の始業式です。皆がさらに成長した元気な姿を見せてくれることを楽しみにしています。各クラスの担任の先生方は、各クラスの目標の確認をしていただき、新学期に備えていただくようよろしくお願いします。

以上
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