自分は早くから管理職となり、担任をして多くの生徒と触れ合ってきた経験は不足していると思う。しかも、高校3年生の担任をしたことがなく、これはとてもとても心残り。高校3年の担任の先生の、卒業式の日、そこまでの結びつきの深さや最後のHRでの様子を見ていると、本当に羨ましくなることがたくさんたくさんあった。

　でも、最近になってSNSがたくさんのこれまで会った生徒たちと、結びつけてくれる機会が増えてきた。海外大学に進学してミュージシャンになってその道で名を上げてきたギターリスト（保護者の方の希望とは違った進路だったね）、イギリスで活躍するフリーのピアニスト、苦労して医大に入って今は救急小児科医（意地でも目標を変えなかったね）、今はJリーガーになった体育祭で野球部にリレーで勝ってしまった帰宅部生徒（Jリーグデビュー待ち、がんばれ）、東京6大学でレギュラーをめざす生徒（僕の母校で活躍してほしい）、自ら靴工房を立ち上げて職人となった生徒（中学では野球ばかりだったね）・・・、本当にいろいろな分野で自分の力を発揮してくれている。たのもしい限りです。この卒業生たちは、なにかの壁を乗り越えて、自分の将来を決めてきたのだろう。そんな困難な道を、、、（なんで選ぶのかなぁ？）と思ったことも多くあったけれど、やはり、ちゃんと乗り越えて自分なりの道を歩んでいくのだなぁ。変わることがあってもいいよね。

　他にも、友だち「リクエスト」でSNSに写真がついていると、「ああ、なんだか昔の面影が少しあるなぁ」と感じる生徒、年相応になっているけれどなんとなく「そうそう」と思い出させてくれる生徒。がんばってるね、目立つことはなくてもしっかりと自分の道を歩んでくれている。その後の成長を見ることができるのは（もっと昔なら見ることもできなかっただろう）、本当にうれしく楽しい。

　今なら、もっともっと違うアドバイスができたのかもしれない。もっとそれぞれの意志を尊重して。よかったのか悪かったのかわからないけど、その時、その時にいいと思った話をさせてもらったような。

　どこかで会えるといいね、と連絡している。全部は難しくても少しでも実現できるよう、早くコロナが終わることを願っています。でも、一番なのは元気でいてくれること。

　今、初芝立命館中学校・高等学校の生徒とも同じ関係を築いていきたいし、きっとうちの先生たちは同じような関係を築いていってくれている。きっと、もっと素敵な関係かな。