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校長メッセージ11 Be Unique for the future『校則の見直し』から考えること

 文部科学省は6月8日に、教育委員会などに事務連絡「校則の見直し等に関する取り組み事例について」を発出している。現在、一部の校則が行き過ぎていると問題視される中、生徒や社会の実情に即して積極的に校則を見直すように求めている。すでに校則の見直しを学校に通知した県教委もある。
 
 2010年度作成の「生徒指導提要」では、「学校が教育目的を達成するために必要かつ合理的な範囲内において定められるもの」と定義している。肝要な点として、以下が挙げられている。
 ① 生徒が自分のものとしてとらえ、自主的に持つように指導を行っていく
 ② 規則を守らせることのみの指導になっていないか注意を払う
 ③ 内容や必要性について児童生徒・保護者との間に共通理解を持つ

 改めて、私自身の経験も含めて、「校則」について考えてみよう。
 これまでの学校は、校則があるからということを理由として、なんのための校則かを考えていなかったのではないだろうか。教員は校則があることで、生徒との話し合い(対立?)を避けていたようにも感じてしまう。「校則に書いてあるから・・・」。校則の意味やそれぞれのルールの目的を、今こそ話し合わなければならない時期(チャンス)では。

 まず、私たちの世代は、自分の育った時代とは世界や社会、そして価値観が大きく変化していることを認識しなければならないと感じる。自分の育った時代に当たり前のことは、もう当たり前ではなくなっている。今までのように型にはまった生き方や価値観から、それぞれの個の生き方やあり方が尊重されてきている。みな同じでなくていい。
 これからの時代を生きていく生徒にとっては、自ら考えていくことが重要だということを知るために「校則」が進化を促進するんだとも認識している。髪型や制服などの枠で規制する「みんな一緒」であることが大切なのではなく、何のためにどのようにしていくのがいいのか、を自分(たち)で考えて選択することがもっとも大切。生徒たちにぜひ考えてほしい。

 ただ、自分の中高生のころを振り返ってみると、校則は「なんでいけないのか」を自分で考える機会を作ってくれていたのかもしれない。そして、この理不尽さをいつか・・・などとも考えていたぼくがいたかも。

 生徒と保護者の方と一緒に考えながら、学校は「やめる」「続ける」「新たなものをつくる」という、大切な選択の時を迎えていると「校則の見直し」から見えてきていると感じる。

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