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校長メッセージ12 Be Unique for the future「ある有名ラグビー選手」

 本を読む。私は毎日、本を読む。本はたくさんのことを教えてくれて、自分の世界を広げてくれる。いつもぼくのカバンの中には本がある。本はたくさんの自分の知らないことを教え、新しい体験をさせてくれ、知らなかった力をくれる。これからの時代がどのように変化していくのか、そして、子どもたちに必要だと思われる教育のこともちゃんと教えてくれた。そのために必要な力を、それを生徒にどのように学んでもらうことで実現していくのか、どのような方法で実行するのか?

 ぼくが大学生の時、秩父の宮ラグビー場に試合観戦に行った。当時は大学ラグビーの人気が高く、「東の本城(早稲田大学)、西の平尾(同志社大学)」と言われていた。なつかしい記憶。
 最近、通勤途中でラジオをたまたまつけると、平尾さんの話。2016年10月20日にすでに他界されている。そういえば、そのころに何冊か平尾さんの本を読んだこと、ふと思い出す。家に帰って探してみると、数冊あった。もう一度読んでみる。

 以下、『人は誰もがリーダーである』平尾誠二著(PHP新書)からの引用です。(ぼくは野球もサッカーもラグビーも同じように好きです。あくまで例として以下を読んでください。)

「これまでの日本で、理想的なチームや組織のあり方とされてきたのは、いわば『野球型』であった。すなわち監督とも呼ぶべき上司が戦略を立て、ほぼすべてを判断・決定して指示を出し、選手に当たる部下は躊躇なくその指示に対し忠実に動くことを求めるというシステムである。そえが「指示を仰ぎ、そのとおりにやる」日本人の資質にはもっとも合い、かつ一番効率がよいと考えられていたし、事実、とくに高度成長期には大いに機能した。未成熟の状態にある個人や組織を、一定期間内にあるレベルまで引き上げるには、最短で最適な方法だったであろう。」

「現代という社会の構造も、『フットボール型』に移行しつつあるのではないかと思う。不確実な要素が多く、プランどおりに物事が進んでいくことはほとんどない。ターンオーバーもたびたび起こる。たった今まで攻めていたのに、急に守りに入らなければならない状況になるケースはめずらしくないはずだ。スピード化・情報化が飛躍的に進み、人々の価値観も多様化したのに伴い、ビジネスの現場においても、あらゆる局面にスピーディかつ柔軟に対応する力が組織に求められるようになっている。 <  中略  > 上からの命令を正確に行えばいいというのではなく、組織を構成する個人個人が状況を把握し、自分で考え、正しく行動できるようにならなければ、これからは生き残っていけない。私は強くそう感じるのだ。」  (引用以上)

 平尾さんが亡くなってからも、ぼくはたくさんの本を読んだ。おなじようなことが、教育関連書籍や多くの本に書かれている。これから必要な力。これ以外にも、この人は本当にすごい人だと、改めて感じさせてくれることばがたくさんたくさん並んでいる。「人」として。経験からも学びからもたくさんたくさん吸収して積み上げた感じ。生徒たちにもぜひ読んでほしいし、知っていてほしい。

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