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【高1Gコース】「初芝立命館高等学校グローバル特進コース1年生 法教育プログラム」 始まる

 1012日(火)、「総合」の科目を5・6限に拡大して、高1グローバル特進コースの生徒118名を対象に、「法教育プログラム」の学びがスタートしました。

 このプログラムは司法に携わる人々の仕事の現場であり、同時に裁かれる人々にとっては自らの人生が大きく左右される時間である「裁判」に、まずは実際に触れることで、被告人や証人の証言を受けて、裁判官・検察官・弁護士間で展開されるやりとりから、「合理的思考・多角的視点とは何か」を考え、そうした思考法や観察姿勢の大切さを学ぶこと。また、様々な国家の司法制度を学ぶ過程で、「日本の司法制度に潜む課題や問題点」を考えること。2年後には自らも「選挙権」を獲得し「裁判員」として司法の現場に関わる可能性も一国民としてある中で、早い段階から司法への関心や遵法精神を育む一方で、人権に対する健全な意識・感覚を育成していくことを目標にしています。

 この日は、大阪弁護士会の弁護士9名の皆さんにご協力を頂いて、「模擬裁判員裁判」を行いました。模擬裁判は、弁護士の方々がそれぞれ、裁判官、検察官、弁護人、被告人、証人の役に分かれて行われます。生徒たちの役目は「裁判員」であり、公判で交わされるやり取り、尋問、供述、証言から、最終的に、被告人が有罪であるか否かを判断することです。

 コンビニエンスストアに強盗に押し入り、強盗致傷の罪に問われた男を裁くという設定で公判が開始されました。弁護士の皆さんによる「模擬裁判」とは言っても、日頃から実際の裁判で弁護士として活躍されている方々ばかりであり、そこで繰り広げられた場面は、緊張感に満ち、張り詰めた雰囲気の中で再   現された、まさに法廷そのものの空間でした。初めて目にする裁判の「光景」に、生徒たちは圧倒されたように静まり返り、目の前で矢継ぎ早に展開される公判の尋問、供述、証言に懸命に耳を傾け、示される証拠品なども参考に、被告人が有罪なのか無罪なのか、その判断の根拠を探るべく必死にメモをとって裁判を見守っていました。 裁判は休憩なしに早いテンポで進行し、予定していた1時間ほどで終了しました。

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5分ほどの休憩を挟んで次に、被告人が有罪なのか無罪なのか、自分自身の考えを整理しまとめる時間をとりました。その上で今度は予め決めていたグループに分かれて、お互いの意見を交換し、意見をぶつけ合い、グループとして有罪か無罪かを判断し発表すること。その際に必ず、そのように判断した根拠・理由を明確に示し意見として述べることが各グループに求められました。

  担任が指名した各クラス2つのグループから、有罪か無罪かの判断がそれぞれ示され、同時にグループとして何故そのような考えに至ったのか、その理由が語られていきました。緊迫した雰囲気のなかで意識、感覚を研ぎ澄まして注視し続ける1時間は、生徒たちにとっても非常な緊張感と重圧を伴うものであったと思いますが、どのグループも独自の観察眼や考え、視点から意見を述べ、有罪か無罪かの判断を示してくれました。118人の生徒全員で裁判という同じ時間・空間を共有し、同じ尋問、供述、証言を聞き、証拠を目の当たりにしていたにもかかわらず、人の考え方や判断、思考というものが大きく異なっていくことに対して、生徒達は改めて大きな驚きと衝撃を受けたようでしたが、得難い貴重な体験ができたことに対して大いに感銘し、同時に楽しんでいたように思います。

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 最後に、ご協力いただいた9名の弁護士の皆さん一人ひとりより、自己紹介と、今回の模擬裁判の感想を聞かせていただきました。生徒同士の意見交換や発表の中に、弁護士でさえも舌を巻いてしまうような鋭い視点や指摘あったというご講評をいただいて、会場が大きくどよめく場面もありました。また、こうしたリアルな体験を交える授業の素晴らしさとともに、生徒たち自身が、世の中の様々な問題に対しての興味や関心を抱き、情報をキャッチするアンテナを張り巡らせておくことの大切さをお教え頂きました。

 1026日(火)には、大阪地方裁判所・大阪高等裁判所へ裁判所の見学、実際の裁判の傍聴に向かいます。今後の法教育プログラムを進める過程で、生徒達一人ひとりが司法への関心や興味を喚起し、自分の力で考え判断しつつ、改めて自らが生きる社会、世界への眼差しを向けるきっかけを掴んでくれることを願って、今後もこのプログラムを進めていく予定です。

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