入試トピック

読書のススメ

 「読書ノート運動」(大阪読書推進会・朝日新聞大阪本社主催)に毎年参加しています。2020年度前期は27名が目標(5・6年50冊、1~4年100冊)を達成しました。1ヶ月にすると、50冊だと約8冊、100冊だと約17冊読んだことになります。学校で読んだ本が大半を占めていますので、今年は6月から学校再開したことを考えるとその頑張りは大きく賞賛されるべきでしょう。
 一般的に「読書をすると頭が良くなる」という話がありますが、これは本当だと思います。理由は様々ありますが、まずは単純に、本を読む子は、読まない子よりたくさんの物事を知っていると言うことです。なぜなら読書によって得られる知識で、相当量の学習内容が得られるからです。読書に親しんでいれば、小学校程度の内容ならば、書かれていることを読み取れないということはほとんどないのではないでしょうか。具体的には、読書によって得られ語彙力です。語彙力が豊かな子は、教科書の内容を理解したり問題文が示していることを正しく理解したりすることが容易になります。
 次に得られるものは、一般的な常識です。子どもは体験したことから多くのことを学びます。年齢が小さければ小さいほど、その傾向は顕著です。しかし、実際に体験するには限界があります。読書はそこをカバーしてくれるのです。行ったことや経験したことのないことを本はまるで行ったり見たりしたかのように思わせてくれます。「あなたは○○博士!」と言いたくなることもあります。「きのこ図鑑」が好きな子が、嬉しそうにきのこの名前を教えにきます。さも、自分が見たり取ったりしたことがあるかのように...。私の教え子で、辞書が大好きでトイレの中に持って入ってまで読んでいた子がいました。その子は有名難関私立中学校から国立大学に進学していきました。
 さらに、読書は想像力を豊かに伸ばしてくれます。別の言い方をすればイメージ力が付くのです。例えば「真っ青な青空」と言われても、それがどんな空か見たことがない子にはイメージできません。しかし、読書好きな子は、そんな表現が挿し絵に描いてあったことを思い出すことで簡単にイメージできます。「読書をすると頭が良くなる」理由は他にもたくさんあります。
 では、本が好きな子を育てるためにはどうすれば良いのでしょうか。読書好きな子に「あなたは、どうして本を読むのが好きなの?」と聞いてみると、「面白いから本を読みます」と多くの子が答えます。「頭が良くなるように本を読んでいます」と答える子は滅多にいません。なぜ面白いのかと言えば、自分にとって面白いと思える本ばかり読んでいるからです。つまり、本を好きになるには、自分の面白いと思える本をどんどん読めば良いのです。その時、親が読ませたいと思う本を無理矢理与えても興味がなければ決して読もうとはしません。
次に、子どもが本好きになる要素に、「親が本好きであること」があります。なぜならば、そういう家庭では、自然と読書の時間が生まれるし、自分の周りには本がたくさんある環境が自然にあるからです。どうぞ、親から進んで読書を楽しみましょう。さらに、大切なことは、子どもが尋ねてきたら、できる限り答えてあげることです。本の読めない漢字や、知らない言葉を教えてほしいと言ってきた時は、嫌な顔をせずに答えあげてください。それだけで良いのです。
 
 ブログの最後に、第16回大阪こども「本の帯創作コンクール」で朝日新聞社賞を受賞した4年2組の東條凛太郎君の帯がついた本が実際に販売され学校図書館に収蔵されたので紹介いたします。
 はつしばの子どもには、これからもたくさんの本と出会い、たくさんの知識を得て「頭が良く」なってほしいと思います。今年の年末年始はコロナ禍で旅行にも行けず、不要不急の外出自粛の要請がでそうです。こんな時だからこそ、家族で本を読む習慣作りに励んでください。

20201203_143115.jpg

一覧へもどる