入試トピック

命の尊さ~一人ひとりがかけがえのない命

 去る28日、川崎市の私立小学校運営スクールバスのバス停付近で痛ましい事件が発生しました。またもや、何の罪もない弱者である小学生が犠牲になったことに悲しい思いと、同時に悔しさと怒りが込み上げてなりませんでした。被害にあわれた皆様のご冥福とご回復を心よりお祈り申し上げます。

 本校もスクールバスを運行し、多くの児童がスクールバスによる登下校をしています。安全安心な登下校を売りにしているはずのスクールバス運行で、このような悲劇を生んでしまったことに、他の学校ではありますが、自分たちのことのように考えてしまいます。本校は28日がたまたま休校でした。翌日29日の登校時の対策が緊急の課題だ捉え、教職員による全バスコースのバス停の見守りを断行しました。何が子どもたちの安全につながるのか、安心な登下校の確保になるのかは決してわかりません。けれども、「何かできることをしたい」と教員も時間外の勤労に即座に対応してくれました。

 保育園児の信号待ちの列に車が飛び込んだ事故も、砂場で遊んでいた園児に車が突っ込んだ事故も、つい最近起きたばかりです。これらの事案に共通するのは、これから21世紀を担うであろう国の宝である子どもたちが、本来見守るべき大人によって、一瞬にしてその短い生涯を奪われたり、体を傷つけられたりしていることです。たとえ、直接傷ついていなくても、その場に居合わせたことで、心に大きな傷がついていると容易に想像できます。あまりにも可哀想でなりません。様々な専門家による検討がなされていますが、このような事案については、既存の防犯教育やパトロールなどで予防できる範囲を超えているとのことです。どうにかできないものか...、結論が見えない課題に心痛む今日この頃です。

 29日には、教職員研修で救急救命講習を行いました。本校では、水泳学習を控えたこの時期に毎年行っています。この日も2名の消防士の方に来ていただいて、全教員が講習を受けました。消防士の方の話の中で、心に残ったひと言がありました。「学校という所は特殊なところなんです。子どもが何百人と大勢いるのに、その数に比べて大人の数が圧倒的に少ない所なのです。」と言われたのです。私は、そのように考えたことがなく、弱者を守ることの意義を改めて問い直しました。子どもたちにとって安心で安全な場所であらねばならない、周りにいる大人(主に教師)との信頼関係構築の大切さを痛切に感じました。

 今朝も、教員は各コースのバス停に見守りに行ってくれました。さらに、若葉会(保護者会)男性役員の方もボランティアで立ってくださっていました。はつしば学園小学校は、未来を担う子どもたち一人ひとりの命の尊さを知っているから、まずできることをしています。

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