入試トピック

朝の学級活動

 遅かった梅雨入りの影響で、雨模様の日が続いています。7月を迎えて10日余り、気がつけば1学期も残すところあとわずかとなりました。1年生が、毎日のように朝1番にアサガオの水やりを頑張っています。ピンクや紫の花が咲き始めて、より一層テンションがあがっています。2年生も野菜の生長を楽しみに、1年にも負けないくらいに毎日水やりをしています。

さて、朝の日課としているのが、登校時のあいさつです。児童が虹の階段を笑顔で下りてくるのが楽しみでなりません。「校長先生、おはようございます」と声をかけてくる子もたくさんいて嬉しい限りです。日替わりで高学年の児童があいさつ運動として頑張ってくれます。時々1年生が加わって「おはようございます」と一緒に声をかけてくれています。全てのスクールバスが到着後、午前8時20分にはチャイムが鳴り、外遊びをしていた児童も教室に戻ります。8時30分になると各学級での活動がスタートします。私の日課のもう一つが、その時、各クラスを見て回ることです。朝の学級活動については、各学年学級で担任が工夫して時間を使っています。廊下から様子を見ることがあれば、教室に入って声をかけることもあり、子どもとのスキンシップの一つとして楽しみにしているのです。

 先日、3年生の教室でふたりの子が本を持って前に出てきました。何をするのだろうと中に入って聴くことにしました。すると、「この本は○○シリーズです。僕はこの本が大好きです。オープンスペースやラーニング(図書室)に置いてあるので、みんなも読んでください」と言いました。聴いていた子の中から「そのシリーズの中で1番好きなのはなんという題の本ですか」と質問がありました。質問された子はしっかり1番お気に入りの本の題名を伝えていました。次の子は、「この本は、私のお父さんの本でしたが、もう読まなくなったので私にくれた本です。とても気に入っています」と言って『ウサギの○○』という本を紹介していました。すると、「お父さんはどうしてその本を持っていたのですか」と質問がありました。「私のお父さんは、獣医さんなのでこの本を読んでいたそうです」と答えました。時間にして3分から5分程度でしたがとても深い時間だと感じました。なぜならば、よくある日直などの当番活動よりも、このクラスでしていたことの方が一歩先をゆく活動と感じたからです。テーマを持ってしていること、そこで発表する人も質問する人も"よく考えて"するということで、そこに大きな意味があると感じたのです。もちろん、前提として「しっかり聴く」こと。

担任に聴くと、【ショー・アンド・テル】という手法があることを知り、自分なりにアレンジしてクラスの子どもにやっているらしいのです。子どもたちは、楽しみにしているらしくて、今までに忘れた子はなし。家で採れた梅の実や大事にしている鈴のお守り、大好きなあやとりなどを持ってきて紹介した子がいたそうです。どの子も同じような発表ではなく、好きな(大事な)ものだからこそ、言葉を選び、魅力を伝えることができるようになること、思いを込めたオリジナルな発表が増えるとことを期待しているとのことでした。

 朝の会は決して多くの時間はありません。そのわずかな間に子どもたちの素敵な時間が広がりそうで嬉しくなりました。

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※ショー・アンド・テル(Show&Tell):聴衆に対して、何事かを示すプロセスであり、その話題について話すことである。日本語では展示と説明(てんじとせつめい)と言う。主に北米で行われる教育科目の一つで、オーストラリアでも一般的である。普通は、小学校の低学年の授業で実施され、小さな児童に公述のスキルを教えるための技術である。たいてい、児童はなにか家からひとつ道具を持って行き、みんなに「なぜその道具を特に選んだか、どこで手に入れたか、その他、関連する情報」について説明する。『ウィキペディア(Wikipedia)』より

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